『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦さんが書いた本、「荒木飛呂彦の漫画術」を読んでみる。
書かれている内容は、まさに”漫画を描くために必要なノウハウ”であり、所謂ハウツー本である。
漫画家という職業上で必要なノウハウの解説もあるが、ストーリーの作り方やキャラクターの作り方なんかは、他のジャンルにも通じる部分もあると思うので、かなり参考になると思う。
絵に関しても、あの「黄金比」をはじめ、美しさやリアリティ、そして個性など、漫画において必要な要素を分かりやすく説明されていて、なかなか面白かった。
んで、同じタイミングで読んでいたのが、枝雀さんの「らくごDE枝雀」。
以前から興味のある「”緊張と緩和”理論」と「サゲの分類」について対話形式で書かれている。
荒木さんの本は、漫画についての”構成要素”を分解して、その中で”面白い漫画”について解説しているのに対し、枝雀さんのは”笑い”という現象そのものについて解説しているという感じだ。
ストーリーの作り方について見てみると、
荒木さんの方は
1.テーマがあり
2.1の中に世界観があり
3.2の中にストーリーがあり
4.3をキャラクターが演じる
上記を絵や言葉で観測者(読者)に伝える
ストーリーには起承転結とし、現実ではないがその世界でのリアリティが必要。
ざっくりというとこんな感じ。
一方、枝雀さんの方は
笑いの分類として
1.生理的な笑い(緊張と緩和)
2.知的な笑い(ダジャレなど知性がないと理解できないもの)
3.他人の困り(ドジっこなど)
4.社会的タブー(下ネタ、ブラックジョーク)
基本はすべて1に集約されている。
ストーリーの構成に関しては
1.合わせ
2.離れ
3.合わせ離れ
4.離れ合わせ
以上の4つで、基本は”合わせ”と”離れ”
どちらが度を越えても少なくてもダメ。
といった感じ。
荒木さんの方は教科書で、枝雀さんのは研究論文といった感じだね。
どちらも「後世の人の役に立てば」という思いで書かれたもの。
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